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2007年1月31日 (水)

シネマ評~男たちのYAMATO~

本来、邦画の戦争モノはあまり好きじゃない。

描き方、スタンスが気に入らない。履き違えた武士道礼賛か、お涙頂戴かどちらかである場合が多いからだ。

下手をすれば、相手への憎悪を増幅しかねない。

『男たちのYAMATO』

それでも観た。理由は簡単。蒼井優が出ているから。

しかし、思った通りこの作品も「お涙頂戴」パターンである。

太平洋戦争で悲惨でない史実などあるものか。

まして戦艦大和である。

当時の日本の造船技術、即ち当時世界最高峰、最先端の技術の粋を集めて建造された戦艦である。

その船が、期待された役目のかけらも果たさず海の藻屑となった事実、当然数千の人々が巻き添えを食った事実、これが悲しくないわけがないのだ。

吉村昭の『戦艦大和』のように、建造時からの史実を丁寧に掘り起こすわけでもなく、「すごいだろう」「可哀想だろう」の押し付けはいささか辟易とする。

参謀本部でのやり取り、「一機の護衛もないというのは自殺行為だ」なんてのは、まず考えられない発言だし、まして「日本が救われるには“敗れて目覚める”しかない」などと、出撃後の戦闘も始まっていない時に現役の士官に言わせるに至っては、笑い話以外にない。

脚色(美化)するにもほどがある。

大事なのは、なぜこのようなばかげた悲劇が起こったのか、ということだ。

ひょっとすると良い意味で期待を外してくれるかも・・・と思っていたが、甘かった。

この作品も従来路線とまったく同じ。莫大な製作費とCGだけが違う点だろう。

この作品に限っては、蒼井優の演技も『並』。

つまり見るべき点のない駄作ということ。

ま、そういう意味では『パールハーバー』と見事に肩を並べる。

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