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2007年3月14日 (水)

鎮魂

きょうは仙台出張。
所用(公務)は早々に済ませ、かつての上司S氏宅を弔問。

2005年、仙台へ赴任してまだ半年も経っていない時だった。
前年から仙台の協力会社へ出向していたS氏が急逝した。
知らせを受けたのは帰宅してからのことだ。
突然のことで現実感が全く持てず、何をどうしたらよいのか途方に暮れる一方で、誰かに伝えなければと言う思いと、誰かと共有したいと言う思いで、2本の電話をかけた。

1本目は東京時代の先輩、私と同様かつてのS氏の部下。そしてもう1本は当の協力会社を担当していた同僚。
知らせを受けた時は動転して涙を流すことすら忘れていたが、自ら言葉を発することで急激に現実感が湧いてきて涙が止まらなかったことが思い出される。

通夜当日、集まった人の多さは故人の人柄を如実に表していた。東京から駆けつけた人も大勢いたし、支店の女の子もほぼ全員顔をそろえていた。
不思議なことに会場に着いても「これは現実か?」という感覚があった。しかし棺の中の個人を拝んだ瞬間、紛れもない事実を突きつけられ、涙がとめどなく溢れてきてしまった。

感情の整理がつかず、ところどころにできた人の塊に入る気にもなれず、その日はそのまま帰宅。
そして告別式。最寄り駅まで行ったものの、頭が混乱して涙が止まらず足がすくんで、結局式には参加せず引き返してきてしまったのである。

以来、きちんとお別れを告げていないことがとても気になっていた。
いつか近いうちに訪問できると考えていたら、異動。それでも同じ東北だし、と先延ばしにしていたらまた異動。

やはり、機会は逃すべきではないのだ。

これからも仙台出張はあるかもしれない。いや、実際あるだろう。
ただ、行ける時に、思い立った時に行動しておくべきだと思い、今回の訪問となった。

奥方は非常に理性的で知的な方である。
静かに想い出を語る口調が余計にこちらの胸を締め付ける。
通夜当日、成人しているとはいえ、ご子息ご令嬢が気丈に振舞っていたことが思い出されたが、お話を伺えが伺うほど、羨ましいくらいに家族に愛されていたことがわかった。

「息子も娘も、お父さんが大好きだったんですよ」
この言葉に、S氏の家族像が凝縮されている。

なのに、なぜ・・・なのだ。

まだ2年なのか、もう2年なのか・・・

奥方はいまだ想い出をつなぎ合わせる作業を続けているようだ。

別れ際、「でもやっぱり、自分で絶ってはいけないんです」という一言が重く響いた。

あの日のことは忘れない。
そして今日のことも決して忘れない。

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