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2007年8月12日 (日)

シネマ評~父親たちの星条旗~

「硫黄島からの手紙」を観てこれを観なかったら片手落ちだろう、というわけで「父親たちの星条旗」である。

豊富な物量にモノを言わせて、負けるはずがない戦闘を続けてきた米軍と言えども、「個人」の視点で捉えれば、やはりそこには恐怖もあるし悲劇もある。

伝説の報道写真と言われた1枚の写真-摺鉢山の頂上に星条旗を掲げる6人の兵士-がもたらした運命のいたずら。
国民の士気を鼓舞するために、戦争資金を集めるために、この写真を利用しようとする軍部・政府の高官たち。そしてそこに偶然写ってしまったがために降りかかる、想いも寄らぬ運命に翻弄される兵士たちの姿が見事に描写されている。
ある者は良心の呵責から逃れられず自滅し、ある者は夢をつかもうとし、そしてある者は死ぬまで沈黙を守った・・・

原作『硫黄島の星条旗』では、遺族たちが戦後半世紀近く経ってから硫黄島に上陸するところから始まるが、映画では、著者(遺族の息子)が生き残った元兵士から聞き取りをするという形で話が進行する。

美談の陰に隠された真実を暴くことで、善悪ではなく、ましてや勝敗でもない、戦争というものが持つ不条理を静かに訴えているかのようだ。

この作品はやはり「硫黄島からの手紙」と一緒に観るべきだろう。

余談だが、劇中の戦闘シーンは、あのプライベートライアンを想起させる見事な映像だ。それもそのはず、あのスピルバーグがスタッフに名を連ねているのだ。

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