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2008年10月13日 (月)

シネマ評~明日への遺言~

重い作品である。

案の定、上映劇場も少なく、上映期間も短かった。
観たくても劇場が遠く、もたついている間に終わってしまった作品だ。

あの大戦から数十年経過してようやく、裁判の公正性が議論され始めた戦争裁判がテーマである。
それも何かと取り沙汰されることの多い東京裁判ではなく、横浜において行われた岡田資元陸軍中将の裁判というのも、原作者のこだわりを感じる。

彼は中部地区司令官として、戦争末期の名古屋地区への空襲を行った後、捕虜となった米軍搭乗員38名を「無差別爆撃を行った戦争犯罪人」として処刑した。

この行為が指弾されたのであるが、彼は国際法に則った「処罰」であると徹底抗戦し、かつ直接手を下した部下を徹底的にかばった。

岡田中将やこの裁判のことは下記に詳しい。http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogdb_h19/jog522.html

さて、物語は派手な演出も特殊効果もなく、実に淡々と進んで行く。
刺激満載の現在の映画の中にあって、物足りないくらいの静寂さだ。
しかしそれゆえに、セリフのひとつひとつが重く、ずっしりとした見応え感がある。

戦争とは何か?ではなく、あの太平洋戦争とは何だったのか?その後に行われた連合国による戦争裁判とは何だったのか?

そんなことに思いを馳せずにはいられない作品である。

じっくりと凝視して観る作品。秀逸である。

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