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2009年2月 5日 (木)

対岸の彼女

これは書かずにいられない。

『対岸の彼女』 角田光代氏の作品である。

自分が小説を購入する時は、(ほぼ100%文庫だが)カバーに書かれている「あらすじ」を読んで決める。
好きな作家はエッセイを除いて無条件に買ったりするが、初めての作家の場合は必ずこの「あらすじ」に目を通す。

この作品は二人の対照的な女性の友情と亀裂ストーリー。
思うに任せない日々に鬱々としている主婦、小さいながらも会社を起こし活動的に生きる女社長・・・

2005年の直木賞受賞作品でもあるが、これは少なくとも自分にとっては購入の決め手ではない。

大好きな乃南アサ系のストーリーかと思ったのだが、これが違った。

一見正反対に見える二人が偶然に出会い、共に働いていく過程で起こる共感やすれ違いを通して、現代の女性の多様な生き方を描いていく・・・

などと表現すれば、まぁ「当たらずとも遠からず」なのだろうが、この小説の面白さは実はその女社長の青春期の回想にある。

「今」の節目にこの回想が断片的に挿入されていくのだが、この若い頃のストーリーと描写が何より抜群だ。
切なくて切なくて、どうしようもない。
この描写があるからこそ、「今」の彼女がひときわ際立つ。

珍しく寝る前にも本を広げた。翌日は電車を乗り過ごした。

久しぶりに、本当に久しぶりに、夢中になれる小説に出会った。

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